福井市の中学校教育の目指すところについて

本市が平成19年度至民中学校に導入されました、異学年型教科センター方式による学校運営について、今日までに本会議、予算特別委員会等で数回に渡り、何とかその方式が定着し、その成果が現れるようにとの思いでお尋ねあるいは要望をさせて頂きました。

新方式導入5年という節目にあたり、その成果、課題、問題などを私なりに検証、精査、研究をしてまいりました。

つい最近では2月19日に保護者の方とお会いし、2月21日には至民中学校を訪問し、校長先生にもお話をお聞きしてまいりました。

校長先生がおっしゃるには、教育委員会は本当によく対処して下さっている。ただ、先生方の精神的、肉体的な疲れは相当なもので、と先生方を気遣い案じていらっしゃいました。

教育長におかれましては、先生方の心身健康にお心配り又その適切な対応を頂きますよう、まずもってお願い致します。

さて今回はその検証、精査に基づき、至民中学校のみならず、本市の今後の中学校教育のあり方、目指すところについて、大局的な視点に立ち、お尋ねさせて頂きます。

現在、日本の小学校、中学校、高等学校では文部科学省から提示される「学習指導要領」をもとに教育課程を編成しております。学習指導要領とは、全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省が定めた最低基準であります。(いわば学校教育におけるバイブルのようなものであります。)

福井市教育振興基本計画が今年度策定されましたが、その中で、学力に関し、「基礎的、基本的な知識及び技能をしっかりと身につけさせること」、「その知識及び技能を活用して自ら考え、判断し表現する力を育むこと」、「自ら意欲を持って学習に取り組む態度を養うこと」という新学習指導要領で求められている知識基盤社会を生き抜くために必要な能力を強化すると明記されております。

さて、至民中学校は、全国トップレベルを維持し、更なる躍進を目指した福井の教育のスタンダード校として教育関係者と某大学の教授がその中心的役割を果たし開校された学校と認識しております。

問題は、現在、至民中学校の現状が、福井市教育振興基本計画が目指す学校とあまりにもかけ離れているのではないかという点であります。

地域では、安全・安心な教育環境さえも保持することができず、大学進学の高い高校への進学率が低いとか、テストの結果が市内の他校と比べると見劣りするということに嘆きの声が上がっていると聞いております。地域の方や保護者が説明を求めると、至民中学校の目指すものは10年後に役立つ、目先のことにとらわれない学力を育成しているという説明が帰ってくるとのこと。

某教授によると、『至民中学校は21世紀の基盤社会、つまり「創造的で高度な知的活動を協働して実現していく社会に対応できる能力」の育成をミッションとして掲げている』とのこと。そのためには授業は教師主導型ではなく、こども同士での対話型の問題解決学習がメインとなっております。

問題解決学習に関しましては、聞こえはよいのですが、子供が学ぶことに最大の価値を置くため、教師が教えたり、やらせたり、また叱ったりすることにためらいを持ち、正しい行動や考え方を教える教育文化が薄れている状態に陥っているのではと危惧しております。また、その学び合いのために必要と70分授業を展開しています。しかし、10年後に必ず実る学習であると誰が保障してくださるのでしょうか。また、一向に地域・保護者が求める点数に現れる学力、受験に資する学力が身につかない。言い換えれば、学習指導要領の内容が身についていない。ここが大きな問題だと考えます。(身についているというならば、具体的な数字を示して下さい)文科省も生きる力の要素となる確かな学力について、基礎基本の定着を真っ先に揚げております。

そのため、至る所で、1時間1時間の授業や、単元の目標を達成するためのきめ細やかな指導と評価を、現場の教員に強く指導しています。そもそも至民中学校が目指す学力、生きる力とは、点数に現れる基礎的な学力の上に築かれるものではなく、全く別次元のものなのでしょうか。学力とは、総合的・関連的なもので、見えない意欲や態度が高まれば、それにつれて知識・技能などの見える学力も高まるはずと考えますが、ご所見をお願いします。

某教授は御自身の文献の中で、「疑問を至民中学校の教員に直接ぶっつけ、答えを得ようとするような早急な解決をはからないことである。至民中学校の教員も、日々考え日々模索しながら答えを探しているのだから、質問されても歯切れが悪くなるのは当たり前であろう。この歯切れの悪さをもって評価するのではなく、前進しようと事を興している事実をもって評価すべきである。」とおっしゃっています。

しかし、今の取組が、数年後に間違ったものだと認められても、その間、至民中学校で学んだ生徒達にとっては失われた3年間になってしまうのであります。

何も福井市の公立学校でそのメソッドを取り入れなくても、福井大学附属中学校で実践しているのですから、有効性が結論づけられてから福井市が取り入れるということでよいのではないでしょうか。現状では、至民中学校が生徒や保護者に教育を保障する責任を果たしているのでしょうか。

地域に、成績や進学実績、不登校の数などのデータが示されたことがないようですが、それが説明責任を果たしていると言えるのでしょうか。更に言えば、このことは、学校を管理する福井市教育委員会が管理責任を果たしていると言えるのかという事であります。ご所見をお願いします。

至民中学校での、昨年の不幸な出来事に端を発し、その学校経営の問題点がいくつか浮き彫りになりました。その件に関しましては、教育委員会では調査委員会を設け、結論として、学年制によらず、1年から3年の生徒が1つの集団を形成する異学年型教科センター方式に由来するものではないと結論づけられました。

しかし、某教授は「至民中学校は、5つの小さな学校(クラスター)から成り立つ共同体」と発言しておられます。荒れた学校ではその立ち直りに、全教職員の共通理解した指導が不可欠と言われております。県教委も、問題行動の未然防止には、全ての教職員による全ての生徒に対する取組を強調されております。さて、この異学年の5つの集団に対して、学ぶことを教育の目的とし、教えたり叱ったりすることを否定する指導体制で、全教員による共通した指導は、可能なのでしょうか。

過去に若狭高校が至民中学校と同様のホーム制を実施して、進学成績、生徒指導上の問題で取りやめたという実例があります。ご存じですか。

高校でも成り立たなかったことが、規範意識や社会性の成長発達の未熟な義務教育段階で実施することが、適切なのでしょうか。

その後委員会が直接学校へ出向き、指導・助言にあたっているともお聞きしております。しかし、一向に問題行動は収まらず、現在でも保護者や地域の心配は軽減されていないとお聞きしますが、ご見解をお願いします。

福井市では、明道中学校の新築が始まっています。明道中学校も教科センター方式を取り入れるのか否かを含め、今後の福井市の中学校教育の目指すところをお示しいただき、至民中学校区の住民、保護者、さらには福井市の中学校に今後子どもを預ける保護者の不安にお応えいただきたいと思います。

明確なご答弁をお願いします。

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